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[R18][SakaUra] 劣情純欲ラブ♡グラス

Author: しおん

Link: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19316549

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恋人関係を構築する上で大事な要素は何だろう。


そう問われて、多くの人はこう答えるはずだ。
『相性』だ、と。


では、何の相性だろうか?


趣味、性格、好きな食べ物、恋愛の進め方、エトセトラエトセトラ.........

そう、例えば─────"身体の相性"、とか?


(あ゛〜疲れた...てか寒...はよ帰ろ...)

ひゅうひゅうと体の芯まで冷えさせる冷たい風が容赦なく体に吹き付ける冬の夜半。
いつも通りにハウスでの撮影を終えて、いつも通りにメンバーと別れを告げ、いつも通りに帰路に付く。そんな変わらない日常の一端で、不可解な事件は起こった。


「ちょいちょい、そこのお兄さん」
「......」
「そうそう、アンタだよアンタ。赤いパーカーのお兄さん。...ちょっとこっちにおいでなさいな。」
「......いえ、急いでるんで...」
「そんな吊れないこと言わないで。ホラ、こっち来てみなさい。」
「......」

あぁ、変なのに捕まってしまった。

薄暗い道中で、溜息をついてひとり真っ暗な天を仰ぐ。

ただでさえこの人通りも街灯も少なくておっかない道で、黒いマントを被っていかにも怪しいですと言った雰囲気を醸し出している老婆が居たらそりゃあ避けるに決まっている。
あからさまにビクついた様子の俺を視界に捉えた怪しげな老婆は、良い獲物を見つけた、みたいな表情でニヤリと口角を上げてしわくちゃな手で手招きした。

そのままスルーして帰ることは簡単だったはずなのに、何故かふらふらとその老婆の元へ足が勝手に動く。
興味?怖いもの見たさ?そんな好奇心旺盛なところ、俺にあっただろうか。
自分でもよく分からないまま、ぼんやりとした思考の中で気が付けば老婆の目の前に突っ立ってしまっていて。

「フフフ...アンタ、色々悩んでるみたいだねぇ」
「あ、あはは...そう見えますぅ...?」
「見えるねぇ。オーラがプンプンしてるよ」

どんな相手にでもへらへらしてしまう元来の性格が憎い。マスクで隠れた口の端が引き攣ってヒクヒクと下手くそな笑みを作っている。
仕方ないだろう、こんな変な奴に捕まったこと今まで無いんだから!
うらさん、まーし、センラ...助けて...なんてこの場に居るはずもないメンバーの顔を思い浮かべてため息をついた。

「アンタに良い物あげるよ。ほら、持っていきな」
「えっ?」

ぐい、と体に押し付けられる形で老婆に何かを渡された。それが何かも分からないまま反射で咄嗟に受け取ってしまう。

......硬い感触のこれは...メガネ?

「...ぇ、これ、なんですか.........あれ?」

...いない。

顔を上げた先には、老婆どころか人っ子ひとり視界には写らなかった。
え?夢?なんて目を擦ってみても、己の手のひらに握られたひとつのメガネが先程の出来事が現実だとありありと教えてくる。

ぽかーんと道端に立ち尽くしたままの滑稽な俺に、ひゅう、と一筋の涼し気な風が吹き付けた。

「...さて、どうしよコレ。」

帰宅後。
机に無造作に置かれたソレを目の前にして、うんうんと頭を捻らせる。
恐る恐る人差し指でつまんでみる。作りは割としっかりしていて、フレームは細めの黒縁でデザイン的には結構アリ。
レンズに目を通して見ると、ガラスの向こうには特に普段と変わらない景色が広がっていた。
どうやら度は入っていないようだ。俺は生憎目は悪くないので度入りだったら付けられなかったけど、これなら.......

(...っいやいやなんで付ける前提やねん.......こんな怪しいモン捨てるのが吉やろ)

いや、本当にそう思ったのは事実だ。
実際すぐにベッド脇のチェストに仕舞いこんだし。...ゴミ箱に捨てなかった理由は、ただ単にメガネが何ゴミか分からなかったからとりあえず保留にしておいたってだけやし。うん。


(いやなんでしっかり持ってきとんねん俺は.......)

日は変わって、今日はライブの打ち合わせの日。
いつも使用している会議室のドアの前で立ち竦む俺の手のひらに鎮座するのは案の定例のメガネで。
...いやだって気になるやん!!!!なんかあの婆さん普通の雰囲気ちゃうかったし、もしかしたらこのメガネ、某名探偵のやつみたいにめっちゃ凄い機能とか付いてるかもしれんし!!
後ろを通ったスタッフさんが不審そうな顔をしながら俺を見て素通りして行った。ア、すんません早く入ります。

(この会議中ちょっと付けとくだけやから.......うん.......別に悪いことしてへんし.......うん.......)

誰が聞いてるわけでもないのにそんな意味の無い言い訳を脳内でぶつぶつ呟きながら、恐る恐るメガネを装着してみる。
...あ、意外と着け心地も悪くな.......

「っうわ、びっくりしたァ!!え、なにやっとんの坂田」
「ウワッッッッッ!?!?!?!?!?」
「いやなんでお前の方が驚いてんねん!!」

突然背後から声を掛けられて、あまりの驚きで一気に早鐘を打ち始めた心臓を慌てて宥める。
後ろを振り向いて見ると、そこには目を丸くしたセンラが突っ立っていた。

「え、なんでそんなとこおるん。入らんの?」
「あ、いや、入るケド」
「なんやうらたんと喧嘩でもしたんか」
「してへんわ!」

スラリと縦に伸びた体躯に洒落たトレンチコートを身にまとい、片手にコーヒーを持つこの男は相変わらずどこか鼻につく。
不思議そうな顔をしていたセンラは、視線を俺の顔面に向けると驚いたようにまた目を丸くした。

「うわ、なんやそれお前。伊達メ?」
「あー、うん、まぁ...」
「へー珍し.......あ、うらたんとお揃いとか?」
「別に、そういうわけちゃうけど」

どこか歯切れが悪そうにする俺に、センラは「お洒落とかできたんやお前」と感心したようにケラケラ笑っている。
なんだかムカついてきて、余計なお世話だと、そう言い返そうとして顔を上げた視界の先に───突然、"ソレ"は写りこんだ。

『5%』

「.......ハ?」

センラの丁度額のあたりに、ぼんやりと表示されている数字。
一瞬見間違いかと思って目を擦ってみたが、何度見てもその数字はそこにあって。
...5%?なんそれ、なんの値?

「...なにそれ、数字タトゥー?斬新すぎん?」
「は?何言うてんねん」
「いや、そこ、数字が.......」

本気で訝しげな目を向けてきたセンラに何も言い返せない。そりゃそうだ、おでこに数字くっ付いてますよ、だなんて普通じゃ有り得るわけがない。
目をよく凝らしてみる。数字は額に張り付いている訳ではなくて、ぼんやりとその場に浮かんでいるようだった。
まさか、と思いメガネを上にズラして裸眼で見てみると、数字は綺麗さっぱり見えなくなっていた。
慌ててもう1回メガネを付けてみる。数字は、しっかりとまた同じところに浮かんでいた。

「.......」
「え、なになに何なん!?!?怖いんやけど.......急にメガネでセルフザコシショウやらんでもろて.......」

もうええからはよ入るで。そう呆れたように告げたセンラに背中を押されて、半ば強引に会議室に押し込まれる。
扉を開けて踏み入れた部屋の中には既にまーしぃが座って居て、相変わらずイヤフォンを耳に装着して一心にスマホを弄っていた。

「志麻くんお疲れ様でーす」
「...ぉ、おつかれー。一緒に来たん?」
「いや、偶然そこで会うて...あれ?うらたんは?」
「下の自販機に飲み物買いに行っとるよ」

ソシャゲが佳境に入っているのか、眉間にシワを寄せて画面からあまり目を離さないまーしぃ。
そんな彼の元へずかずかと足早に歩み寄って、素早く動く手元から遠慮なくそのスマホを抜き取った。「ピッ!?」と突然行われた暴挙に驚いた目の前の肩がびくりと跳ねる。

「ごめんまーし、ちょっとこっち見て」
「え゛っなにィ!?!?返してェ!?!?」

悲痛な面持ちで顔を上げたまーしぃの額には───『8%』と、数字が刻まれていた。

「..............ひっくゥ!!!」
「スコアがってか!?やかましいわ!!」

慌ててスマホを俺から奪い返したまーしぃは、撃沈した自陣を見て悲鳴を上げている。

.......これは、一体なんの数値なんだ。
俺は何の値が見えてるんだ。
数字が見えるとしても、何の値なのか分からなければまるっきり意味が無い。
どうやらセンラは5%らしい。そして、まーしぃは8%。うらさんは、まだ見てないから分からないけど.......
え、もし仮に仲良しゲージとかやったらどうしよう。俺まーしとセンラと一桁代にしか仲良くないってこと!?

(.......いや、いやいや流石にそれは.......ないやろ...)

それは流石に有り得ないってことくらい分かる。
俺たちの間には間違いなく確固たる絆は存在するのだ。うん。なんたって今年結成10周年やし。
だとすれば、ますますこの値が何なのか分からない。
え、元気度とか?だとしたらコイツら今日元気無さすぎやろ。

「.......なんかお前今日変やぞ、どうした?」
「.......」
「おーい坂田〜?」
「..............」
「アカンこれ聞こえてへんわ」

長考する俺を見かねて顔前に手をヒラヒラかざし始めたセンラと、「てかメガネええやん」とソシャゲを邪魔されたにも関わらずあまりにも広い懐を見せつけるまーしぃ。
段々と修羅と化し始めた会議室に、突如ドアが開閉する音が救いのように響いた。

「ごめん、お待たせー」

バッ!と一気に3人が視線を向けた先で、ペットボトルのお茶をしっかり4本抱えたうらさんが、きょとんと驚いたように目を瞬かせている。
相変わらずオーバーサイズのパーカーに隠された手元があざとい。

「えっ、なに?怖いんだけど......あ、メガネだ」
「うらたさんおかえりー」
「ちゃうて、坂田がなんかおかしいんよ」
「.......さかたが?」

どうしたの?とペットボトルを机に並べながら心配気にこちらを伺ってくるうらさん。
心配は嬉しいが、それよりも何よりも俺はまず確認せねばならないことがある。
無言でうらさんの前に立つと、俺の肩より少し上くらいの位置にある丸い頭。.......うらさんちっさくておでこが見えづらいな。

「.......ぇっ」
「..............」
「おっ」
「ヒュウ〜」

くい、と小さな顎を持って掬うようにこちらに顔を向けさせた。ほぼ無意識だった。
ビクッ、と驚いたようにうらさんの体が跳ねる。
脇で傍観していたしまセンがキャ〜!とふざけたように高い声を上げた。

額の、数字は、

『120%♡♡♡』


「っちょ、もうなに!?さかた、」
「.......た、」
「た?」
「高ァ!?!?!?!?!?」

えっ、高!?めっちゃ高いやん!?
えてかなにその横のピンクのハート。まーしぃとセンラの時は無かったやん!!
顎を鷲づかんだまま絶叫して顔面を凝視してくる相棒の奇行に、さすがにうらさんはちょっと引いた目をして「うるさ...」と呟いている。
うらさんの長いまつ毛がふる、と震えて揺れた。

「...さっきから低いとか高いとか、何が見えてるんよ?」

不思議そうなまーしぃの声に、ハッと我に返る。
慌てて手を放して謝ると、うらさんは不貞腐れたように頬を膨らませて自身の顎をさすさすと撫で摩った。

「いや、ごめん...分からんねん.......数字が、見えるんやけど...」
「数字?」
「おん.......」
「.......おまえ、大丈夫?疲れてない?」
「...ふ、大丈夫よ、そういうんじゃないから。」

さっきまで引いていた筈のうらさんの不安げな瞳に、思わず笑みが零れる。この人は相変わらず大袈裟なくらいに俺の不安定な部分を一番に気遣ってくれるのだ。

「うーん、でもほんと何なんやろ.......ごめんうらさん、もうちょいよく見せてくれん?」
「別にいいけど.......」

今度はきちんと許可を貰ったので、遠慮なく覗き込んで目を凝らしてみる。
目の前の小さな口がむぐ、とまごついて、細い瞳が何処を見ていいか分からない、といった風にきょときょととさ迷った。

..............ん?
よく見たら、数字の上になにか小さく文字が書かれて.......

『"カラダの相性" ♡120%♡♡♡』

「............................゚゛゛」

ガターーン!!!!!!!!

「っちょ、さかたァ!?!?!?!?」


『っはぁ、は、ン、』

『っう、ぁ』

少し腰を揺するたびに、えもいえぬ快感が下半身を通して身体中をガンガンと突き抜ける。
"彼"の、みっちりとした温かい媚肉に包まれて、喉の奥から勝手に喘ぎ声が漏れてしまう。
夢中になって腰を振って、そのはずみで汗がぽたりと彼の白い肌に落ちた。

気持ちいい。気持ちいい。
こんなに気持ちいいの、初めてだ。

『は、きもち、い、』

『ぁあっ...さかたっ...きて、』


「っ─────!!!!!!!はっ、、は、」

一気に浮上した意識のまま勢いよく上体をベッドから起こして、まず5秒ほど放心。
尋常じゃない程の汗が額から流れている。
それからやっと事態を飲み込んで、慌ててズボンの中の下半身を確認。
.......良かった、発射しては無い。夢の中でイッてなかったもんな...その前に覚めちゃったし...。
いや、ガン勃ちしてるから全然良くは無いのだけど。

(.......さいッッあくや.......よりによってあんな夢.........)

あの夢の中、俺の下で身体を蒸気させて気持ちよさそうにヨガっていたのは間違いなく...うらさんだった。
いつもは夢なんて起きたらすぐに忘れるタイプなのに、今回に限って脳裏にあの淫猥な光景が焼き付いて離れてくれない。

(あんな夢見たのも全部、このメガネのせいや...)

はぁ、と深いため息をつきながら、ベッド横のチェストに置かれたメガネをちらりと見遣る。
...あの老婆、カラダの相性が分かるメガネなんて言うパチモンを本当によく掴ませたものだ。
もちろんそんな怪しいものを信じるはずがない。あの数字もどうせテキトーにランダムに出された数値なのだろうし、まさか本当にカラダの相性が分かるはずもない。
そもそもうらさんも僕も男なのに、まさかカラダの相性が抜群なワケないもん。
......そう、頭では分かってる。分かっているのに。
結局このメガネを捨てられていない時点で、俺の根底にある思惑は分かりきったようなものだ。
腰をひとつ打ち付ける度に高い喘ぎ声をあげて身体を悶えさせるうらさんの夢の中の姿を思い返して、またじぃんと腰が痺れてしまう。ガンガンに張り詰めた愚息が痛い。

(あ゛ーーー...ほんま...どうしてくれんねん...)


...とりあえず今は、コレどうにかしないと。


そもそも論として、"カラダの相性"ってなんなのだろうか。
交わる人によってそこまで差が出るものなのか。
この世に運命の相手がいるみたいに、運命のセックス相手もいるってか?
...いやいや、アホらし。そりゃ好きな相手とならなんだって気持ちいいに決まってるだろう。
好きな、相手となら......

「...ーい、」
「............」
「おーいさかたさーん」
「.........」
「おーーーーーい!!!さかたさーーん!!!」
「エッ゛!!!?!?なん!?!?!」

耳元に突如直接注ぎ込まれたビックボイスに、鼓膜がキーンと痺れてギャッ!と声が出た。
ハッとして慌てて顔を上げると呆れたような3人の顔。
...やらかした。めちゃくちゃ会議中なのに、今完全に思考飛ばしてた。最悪や。
はぁ〜と大きくため息をついたセンラに、何も言えず押し黙ってしまう。

「ほんま坂田、この前から変やぞ」
「...や、ごめん、」
「あー、まぁ割と纏まってる段階やし、とりあえず今日のところはええんちゃうか?坂田も最近疲れとるんやろ。な?」

険悪になりそうな雰囲気の中で、苦笑しながら助け舟を出してくれたまーしぃに縋るような視線を送ってしまった。
「...や、そうやな。俺もちょっとカッカしすぎたわ、すまん。」と目線を逸らして後頭部をかいたセンラに、もう一度ごめんと謝罪を零す。
いや本当に申し訳ない。次はちゃんと切り替えられるようにせな。
隣の席からうらさんが心配そうに目線を送ってきているのを感じるが、生憎今は「気にせんで」の一言も言う余裕が無かった。あれから思考の隅にずっと居座る120%の数値のせいで、彼の顔がまともに見れないのだ。...もちろん夢の中でうらさんを好き勝手犯したことも要因のひとつだけど。

ひとまず今日のところは解散という形になり、各々帰路につくことに。
イベント始まる!とスマホ片手に早々に会議室を出ていったまーしぃに続いて、タク来たわ〜と呟いたセンラも飄々と退出。

「......」
「......」

...そうなればもちろん、彼と2人っきりになるわけで。
こちらが一方的に気まずくなっているだけだが、最近俺が避けてしまっていることはうらさんもきっと気が付いているんだろう。
ちらりと横目で見た顔が心做しか緊張した面持ちをしていて、一気に申し訳ない気持ちになった。

「......ぁー、じゃね、うらさ、」
「待って」
「っほぁ」

パシ、と後ろから手首を掴まれてたたらを踏む。
前までうらさんに触れるくらいなんてことなかったのに、今はなぜだかちょっと手首を掴まれたくらいでドキンと心臓が跳ねた。
...いや、いやいや、ただちょっとビックリしただけやし。
何か言いにくそうにしてもじもじ視線をさ迷わせる姿がちょっと可愛い、だなんて全く思っていないし!

「一緒にかえろ、」

ぅぐ、込み上げてくる何かの感情を堪えきれずに、喉の奥から変な声が出た。


「......」
「......」

ぼんやりと意味もなく流れる車窓の景色を眺める。
2人で一緒に乗り込んだタクシーの車内は静寂に包まれていた。
今更沈黙が気まずくなるような関係値じゃないのに、今はなにか他愛もない話でもしていたかった。
チラ、と横目で隣を伺い見てみる。うらさんも、ぼーっと窓の外を眺めていた。

「......」
「......」
「「あのさ.........あっ」」

...しまった、ハモった。しかも感嘆詞まで綺麗に。

「あー...先、いいよ」
「いや、うらさんこそドーゾ、」

もじもじ、もじもじ。
...いやいや何だこの奇妙な空気感は。
なんだか段々おかしくなってきて、お互い顔を見合せる。
口元がまごついて、ブッ!と同時に吹き出した。

「っんふ、なんなんコレ」
「いや知らねーよ。会って1日目みたいな態度しやがって...くは、」

あ、目尻下がってるの、かわええ。
いつもはキリッとした目元が笑うとふんわり細まってくしゃっと皺が寄る、うらさん特有の笑い方。
そうして、くすくすと肩を小さく上下させるうらさんを見ていたら...なんだか、ふと魔が差したのだ。

無意識に手が、彼の細い首筋に伸びて、

「ッっんぁ!?!?」
「え」

すり、と耳より下あたりの肌に指を滑らせた。
滑らかなソレにうつつを抜かす間もなく、ビクン!と目の前の華奢な身体が跳ねる。
バッ!と俺の指が触れた場所を慌てて抑えたうらさんは、今までにないくらい頬を真っ赤に蒸気させていて。

...え、え、え 、てか、

(首ちょっと撫でただけでそんな反応する!?)

「っにすんだよ...っ!」
「あ...ご、ごめん、ごみ、ついてた、から...」

もちろん真っ赤な嘘である。
明らかにゴミを取るような手つきじゃなかったことは自分でも自覚してるけど、うらさんは焦っているのか特に疑う様子もなく「あっそ、」とそっぽを向いてしまった。
元々色白だから、赤く熟れた肌がいっそう際立つ。

とんがったおちょぼ口を見ていたら、もっと触れてみたいって、どこかでそう思ってしまった。

今度は手が彼の耳元へ動く。今度は無意識なんかじゃなくて、意識的な動作だった。
すり、赤くなった耳の縁を撫でてみる。
「ひっ」と小さく悲鳴を上げたうらさんが、りんごみたいな顔を勢いよくこちらに向けた。
...あー...なんでかわいく見えちゃうんやろな。

「っさ、か......」
「うらさん...」

どんどん顔が近づいていく。吐息がかかりそうな距離にまで狭まったところで、ガタン!と車が停車した。
「お客さん、着きましたよ」という無機質な運転手の声にハッ、と我に返ったうらさんは、慌てて財布から金を取り出してから足早に車を降りて行ってしまった。


シャワーを手早く浴びて、乱雑に頭をタオルでゴシゴシ拭く。
髪を乾かすのも今はなんだか面倒で、そのままの足でベッドに向かってダイブした。
じわ、とシーツが水に濡れていく感覚がする。
手元にスマホを手繰り寄せて、ぼんやりSNSを周回した。

(...............)

...さっきの、タクシーの中。
指でちょっと撫でただけであんなにエッチな反応をしたのは、単にうらさんが敏感体質なだけ?
それとも、まさか...俺たちの身体の相性が良いから、とか?

(...相性120%って、どんくらい気持ちええんやろか...。)

.....................

「『男同士 セックス やり方』......うわ、結構出てくる......ってバカヤロウ!!!!!」

思わず咄嗟にスマホを宙にぶん投げた。
ナチュラルに検索バーに打ち込んでいた己の指先が恐ろしい。
いや本当最近おかしいて。あんなパチモンのメガネにまんまと踊らされて、恥ずかしいったらありゃしないのに。
...正直、俺の下で善がるうらさんを見てみたくない訳では、ない、なんて。

(俺らカラダの相性120%らしいから試しにエッチしてみよや!とか言うんか?アホすぎるやろ、シンプルに変態やん...)

ドン引きしたうらさんの顔がもう容易に想像出来てしまう。

...でも。

脳裏に真っ赤になったうらさんの表情が浮かんで消えない。

...ああもう、本当に、どうしてくれるんだ!


「お邪魔しまーす」
「ドゾ〜」

...悶々と悩んでいたのに、なぜ俺はうらさんを家に招いてしまっているんだ。

数日前のことなんてなかったかのように平然と家の中を闊歩するうらさんが恨めしい。
まさかうらさんの方から「お前んち行っていい?」とお誘いがかかるとは思ってもおらず、連絡が来たときは驚きで麦茶を吹き出したものだ。
流石にあんなことがあった後だったから、まさか本当に誘われてる?なんて気色の悪い思考に陥ったが、その後すぐに送られてきた「コラボ動画の話したい」という文に我に返った。確かに最近コラボできてなかったもんな。うん。そうよな。

「さみ〜」なんて言葉を漏らしながらうらさんが背負っていたリュックを放る。
慣れたようにソファーに座って寒そうに両手をすり合わせるうらさんにブランケットを渡すと、「サンキュ」と嬉しそうに笑ってくれた。

「マリカやりたい」
「えぇ?話し合いせんでええの?」
「マリカで体あっためてからな」
「じ、自由〜〜」

俺の家なのに我が物顔で棚を物色し始めたうらさん。
ん、と取り出したコントローラーを突きつけられては、俺には断る選択肢など最初っからないのである。

「最近新しいコース開拓したんよね」
「マジ?どこ?」
「アイスビルディング」
「うわー、そこ俺よく分からん」
「そりゃ新コースですしー」

くだらない話をしているうちに、慣れた手つきで操作されていくゲーム画面。
コース選択ですぐにアイスビルディングを選択してくれたうらさんに、にやにやと笑いが溢れた。

「...なんですかねー」
「んー?ツンデレやなーって」
「あ!さかたさんが変なこと言うから手が滑った」
「ギャア!!わざわざ後ろに投げんなや!!」
「くはは」

ケラケラ隣で笑ううらさんに、胸がほわ、と暖かくなって、少し体を寄せてみる。
ぴと、と肩同士が触れ合うと、面白いくらいにビクリと隣の体が揺れた。
彼の操作するキャラがガコン!と派手にガードレールに激突して地下へ落下していく。
明らかに動揺している様子のうらさんに、上がりそうになる口角を必死に抑えた。
...やっぱり気にしてないフリして実は結構意識してくれてたんや。
可愛いな、なんて思う衝動のままゆっくり肩を抱いてみる。うらさんはいよいよ可哀想なくらいに真っ赤になった。

「っ、ぁ、のさぁ、」
「...んー?」

「も、そ、ういうの、やめて、」

ドガーン。

今度は俺のキャラも奈落の底へ落下した。
ジュゲムがご丁寧に釣竿で釣り上げてくれたけど、もう画面すら目に入らない。
くい、と肩に組まれた俺の手を控えめに押しながら、顔を真っ赤に染めて目を潤ませる姿が、あまりにも扇情的で、可愛くて。
「やめて」って言う割には満更でも無さそうな彼の態度に、理性がゴリゴリ削られていく音がする。

あぁ、だめだ、これ以上は。

そう思うのに、唇が勝手に、顕になっているまろやかな首筋へ伸びた。

「っひ、!」

顔を埋めてちゅう、と吸い付くと、頭上から引き攣ったような声が聞こえてくる。
コントローラーが彼の手から滑り落ちる。
そのままぺろりと舌を這わせてみたら、「ぅあ!」と先程よりも大きな声が上がった。

「っなに、すんだ!バカぁ!」
「...うらさん、首なめられただけでそんなエッチな声出ちゃうの?」

下から伺い見るようにそう言うと、かぁぁ、とうらさんの頬がさらに赤くなった。
「ちがっ、これは、」としどろもどろになり始めたうらさんを黙らせるように、今度はぢゅ、と強めに吸い付いた。

「ッひ!♡」
「ン...ふふ、......あのね、うらさん」
「...ぅ、なんだよ、」
「俺たちって、カラダの相性抜群なんやって」

「..................ハ?」

きょとん。言葉の意味を理解出来ずに、一気に怪訝な顔つきになっていくうらさんの表情。
そりゃ急にこんなこと言われたら誰だって気味悪がるに決まってる。
でも、もうあのメガネが本物かどうかだなんて最早どうでもいい。ただただ今は、うらさんに触れる口実が欲しくなっていた。

「...は、なに?なんて?」
「やから、相性抜群なんやって。120%なの!」
「............はぁ??」

思いっきり引かれている気もするが、もう今更後には引けない。
危険を察知したのか小さく後ずさり始めたうらさんの手首を捕まえて、体重を掛けてラグの上に押し倒した。
簡単に後ろに転がった軽い身体に、きゅ、と胸が燻る。いざ組み敷いてみると、この人はこんなにも小さく見えるのか。

うらさんはしばらく事態が呑み込めずにぽかん、としていたが、俺の手のひらがするりと服の下を這い始めると、やっと慌てたような声を上げた。

「ひッ、ちょ、えっ!?さ、さかた、待って、」
「いやや」
「ほ、ほんき?」
「本気」

うらさんはしばらく、馬鹿だろバカ、やら止まれハム、やら意味の無い暴言を並べていたが、俺の指先が敏感な乳頭をすり、と掠めると途端に「んぅ」と小さく喘いで顔を真っ赤に染めて黙り込んだ。なにその声、可愛い。

「んふ、かわえ...きもち?」
「きもちくない」
「うそつきぃ」
「ぁあっ!♡」

きゅ、と強めに柔らかいソコを摘んでみると、うらさんは甲高い声をあげて縮こまった。
そのままくりくり、と優しく捏ねてみる。
うらさんの細い腰がビクビクと揺れて、「あ、あ、」と半開きの口から意味の無い言葉の羅列が漏れ始めた。
フニフニの乳首はやわこくて気持ちが良い。段々と固くなり始めたソレを生で見たくなって、反対の手で服の裾をたくしあげた。
ツン、と主張する薄桃色の乳頭が、突然外気に晒されてふる、と震える。
「あ、」と恥ずかしそうに目を伏せるうらさんの姿を見たら堪らなくなって、体を倒してその魅惑の突起に吸い付いた。

「ぅあぁッ!!♡♡」
「ン、じゅ、」
「ひ、ぁ、やめて、さかたぁ、!♡」
「ん、ふふ...うらさんかわいい、気持ちよさそう」
「ぁ、あぁ、っ...んぅ、!♡」
「きっと俺たちの相性がええから、うらさんこんなに気持ちよくなっちゃうんよ」

乳を飲む赤ん坊の如く、ちゅうう、と強めに吸い付くと、快楽で溺れるうらさんの手がぐしゃりと俺の髪の毛を掻き乱した。
舌先を固く尖らせて、乳頭を押し込むように刺激する。
ビクつく腰を抱き込んでぐりぐりと舐り続けていたら、突然ビクン!とうらさんの体が一際大きく跳ねた。

「ッ────!!......は、は、ふ、」
「...............え、うらさん、今イッた?」
「............?」

うらさん自身も何が起こったのか分かっていないようで、息を荒くしながら困惑したように首を傾げている。
そんな彼の痴態に、もういよいよニヤけが抑えられない。あの感じは間違いなく絶頂を迎えた様子だった。
...まさか、乳首だけでイッてしまうなんて。
カラダの相性が良いってもしかしてこういうこと?
もっともっと深いところまで暴いたら、どんな風に乱れてくれるんだろう。
だんだんと信ぴょう性が増してきたメガネの数値に、溢れ出る邪心が止まらない。

己の唾液でてらてらと光る可愛い乳首を弄るのはとりあえずここまでにして。

彼の着ているスウェットに手をかけて下へ降ろそうとしたら、やっと我に返ったうらさんが慌てたようにその手を抑えた。

「だ、だめ、!」
「はいはい」
「ちょ、テキトーにあしらいやがって...おい!」

子猫みたいな抵抗をみせる彼の腕を脇に押しやって、片腕でぐいとスウェットとパンツを同時に下ろす。
ぷるん、と飛び出た彼のモノは既に立ち上がってふるふると震えており、早く触れて欲しいと言わんばかりで堪らない。
うらさんは性器を見られた羞恥心でいよいよ瞳に涙を貯め始めた。

「な、なんでお前最近そんなにグイグイなの、」
「......自分でも分からん」
「はぁ...?」
「...でも、なんか、うらさんに触れたくてたまらんねん」

ただの肉欲で大事なこの人を手篭めにする程腐ってはいない。
どのくらい気持ちいいか、とか、いやそれももちろん気になるけれど。それよりも何よりも、他でもない俺の手によって羞恥と快楽に悶える彼の姿が見てみたかった。...この感情を、何て呼ぶのか、きっとうらさんは教えてくれないだろうけど。

うらさんは俺の言葉に眉を寄せてきゅ、と唇を引き結んだ。

「ごめん、全力で殴られたら止まると思うから」
「...そこまでしないと止まんないの?」
「うん」
「ふ、即答かよ」

あ、ちょっとだけ笑ってくれた。呆れ笑いだけど。
胸がきゅうん、となって、体を倒して衝動的に彼の首に抱きついた。殴れ、と言う癖に身動きが取れないような体勢にさせてしまっている自分に呆れる。
すると、ぎゅ、と控えめに自身の首に腕が回されたのを感じて、驚きで肩が跳ねた。

「...本当に嫌なら、とっくに殴ってるっつの」

そんなふうに、耳元で照れように小さく言われてしまったら、もう殴られてでも止められる気がしないじゃないか。
顔、顔が見たい。ゆっくり上体を起こすと、案の定うらさんの顔は赤く染っていた。
彼の頭の脇に両肘をついて、囲うように俺の下に閉じ込める。
俺の体の檻の中で、可愛いうらさんは静かにきゅ、と目を閉じた。

「ン......ぁ、」
「ん、ふ」

初めて吸い付いた彼の唇は、想像以上に柔らかい。最初から緩いガードのお陰で簡単に舌が入り込んで、すぐに粘膜を交わし合う濃厚なフレンチキスを交わす。
うらさんの口の中、熱くて溶けそう。小さな舌をじゅ、と吸うと、囲った体があからさまにビクつくのが可愛くて仕方ない。

「ん、ん...ふ、ぅっ!♡ンン!!」
「ふふ...ン......」

上顎をチロチロ舐めると一等大きく反応してくれるのが可愛くて何度もしていたら、しつこい!と言わんばかりの呻き声が聞こえてきて笑ってしまった。
舌を絡ませ合いながら彼の立った乳首にすい、と手を這わせると、うらさんは驚いたのかコクン、と口内に溜まった唾液を飲み込んだ。なにそれエロい。

「っは...、ぁ、も、またそこ」
「でも、くりくり気持ちええやろ?」
「ぁ、ぅぅん...、♡♡」

あかん、乳首だけで何時間も弄ってられそう。でも先にも進みたいし、と脱がせて顕にしたまま放置していた彼の震える性器にそっと手をかける。
ひ!と高い声を上げたうらさんは、恥ずかしげに足を閉じようとはするものの抵抗はしなかったので、ゆっくり手を上下に動かし始めてみる。

「ぁ、ぁあ...だめ、ぁ、♡♡」
「腰すんごいびくびくしとる...ほら見てうらさん、ぬるぬる」
「っ、バカ、!」

俺の手によってもたらされる明確な刺激にうらさんが拙い喘ぎを漏らす。一心にしこしこと彼の性器を苛めていたら、だんだんと息が乱れてきた。先走りもとぷ、とぷと溢れ始めて、彼の絶頂が近いことを悟る。

「ぁっ、ふ、さかたの手、おっき、ぅ、♡」
「かわい...うらさん俺の手でイっちゃうね」
「ぅ、あ、ぁん、だめ、くる、」
「こら、足ピンしちゃだめよ」

快楽を逃がそうと、ぴん、と宙を蹴り始めた彼の足を優しく諌める。
先端を強めに押し込んで握り込むと、うらさんは引き攣った声を上げて呆気なくピュ、と精を吐き出した。

「えー...イキ顔かわえー...」
「ぁ......はぁ、は...♡♡...ちょっと、きゅうけい、」
「だめでーす」
「ぁう」

ほふく前進で俺の下から這い出そうとしたうらさんの腰を掴んで元の位置に戻す。
ちょうどうつ伏せになってくれたので、これ幸いと丸出しになった彼の後孔に吐き出した白濁を塗りつけた。
お咎めが飛んでくる前に、と性急に指を埋め込ませると、ぬぷぷ、と中指は簡単にナカへ沈んでいく。

「ひっ...!ぁん、ゆび、まって、」
「ローション要らずやん、すごぉ」

期待しまくっていた俺の机の引き出しの中にはしっかりボトルのローションが眠っているが、熱に浮かされた状況では取りに行くためにうらさんと離れることも嫌だった。
精液だけでぬるぬると行き来できる滑りの良いナカを、これ幸いと己の指で具合を確かめるように味わう。
最初はゆっくり、抜き差しするだけ。だんだんナカが慣れてきてうらさんの力が抜けてきたら、腹側を擦るように少し強めに指を動かす。

「っひ、♡いや、なんで、こんな、」
「痛い?感じる?」
「っいたく、ないけど...んん、なんか、」
「なんか変な感じする?」

うん、小さく頷いたうらさんの唇がふるふると未知の感覚を恐れるように慄く。...流石に最初っからナカで感じられるとは思っていなかったのだけど、これは。

「ぁ、あ...待って、一回とめて、さかた、」
「...あ、ここ?」
「っんん!♡ちがう、だめ、!」

くち、くち、徐々に大きくなっていく水音。つぽつぽ自身の指が彼のナカを出入りする淫猥な光景を見るだけでグンと下半身に熱が集まった。
2本目をぬるりと侵入させて、トントンとノックするような動きに変えてやるとうらさんの腰が断続的に震え始める。

「あぁ、ぅ、んん...♡」
「すご...うらさんちゃんと気持ちよくなれとるよ、ね」
「なんで、おれ、初めてなのに、」
「んふ、ほら、やっぱり俺たち相性ええんやって♡」

本当はこのまま指だけでナカイキするうらさんも見てみたい。でも、痛いくらいに張り詰めた愚息が早く早くと急かすようにズボンを押し上げて仕方ない。この年齢になって待てもできないのか、息子よ。いや分かるけど。うらさんエロいもんな。
つぷ、と名残惜しくも熱いナカから指を抜いて、性急に自身のズボンをパンツごと下ろす。羞恥心など好きな人の痴態の前では無力だ。
ぶる、と飛び出た性器を見てうらさんがビクッと肩を揺らす。また逃げようと這い始めたので今度は腰を掴んで仰向けにひっくり返した。

「が、がち?ほんとのほんと?」
「うん。大マジ。はい、力抜いてくださーい」
「え、え、タンマタンマ、ねぇさか...っぁあぁ...っ!!♡」

ゆっくりゆっくり、間違えても傷つけないように腰を押し進める。火傷しそうなくらい熱いうらさんのナカに、ぐぅと息が詰まる。あかん、気持ち良すぎてこっちが持ってかれる。
一番奥まで挿れようとして少し強めに進んだら、カリがお腹側を擦ってグン!と勢いよく入り込んでしまった。

「ッ────!?!?!?♡♡♡♡」

びくんびくん!と大きくうらさんの体が跳ねて、ナカがきゅぅぅ!ときつく収縮する。
あまりの刺激にそのまま射精しそうになって慌てて歯を食いしばって堪えた。

「っ.........は、やば...うらさん初めてでトコロテンて...エロすぎん、?」
「っは、う、そ、」
「ほら、見てみ、挿入っとるよ、」
「ぅ、や、、ぁ♡♡」

動いていい?なんて尋ねるつもりもないことを聞いてから、返事も待たずに緩く腰を振る。
うらさんの狭い腸壁にヌプヌプ擦られて、今にも搾り取られそう。
揺れに合わせてうらさんが「あ、あ」と母音だけで喘ぐ。だめだ、もう、かわいい、気持ちいいってことしか考えられない。

「っは、は、うらさ、気持ちい、」
「ぁっ、あ、♡おく、ぅ、やめて、♡」
「...んふ、よだれ垂れとる、」

上体を倒して、てらてら濡れる唇をはむ、と咥える。
半開きだった唇からぬるりと舌を侵入させて口内を貪ると、喘ぎ声がお互いの口内で溶けて消えていくのがなんともエロい。

「ん、っく、ン、ぁう、♡」
「ン、ふ、ぢゅ...」

快楽から無意識に逃げを打ち始めた腰を引き寄せてごちゅん!と強めに穿つ。
んん゛!!とくぐもった呻きが彼の口から漏れて、ビクビク体が震えた。
...あー、かわええ。このヒクつくナカにたっぷり精子を流し込んで、うらさんの体内に俺の証を刻みつけたい。
俺のでお腹をいっぱいにして孕ませたい、擦り付けたい、あぁ、思考がまとまらない。気持ちが良すぎる。

「あーいく、でる...うらさん、腰上げて、」
「あっ、あ、!♡やめっ、持ち上げんなぁっ!♡」
「っく、......!♡」

ぱちゅ♡ぱちゅ♡
部屋中に響く生々しい水音が射精感をどんどん高まらせていく。
ナカに出しやすいように、細い腰をぐい、と強引に上へ浮かせた。
突然のことに驚いたのかきゅぅぅ♡とキツく収縮したナカに抗えず、今度こそどくん!と熱が弾けた。

「〜〜〜っっっ!♡♡♡」

うらさんはナカに注がれる温かい液体をギュ、と目を固く閉じて受け入れていた。
その様子がまるで俺の精液を味わっているかのように淫猥に見えて、出したばかりの筈の性器がどくん、と疼く。
体を倒してまた唇を重ねる。
舌を絡ませたとろけるようなキスの合間に「すき、」と小さくこぼすと、うらさんは顔を赤くして「ばか」と呟いた。

「...そういえばさ、うらさんなんで今日俺んち来たん?」
「んぇ?」
「正直ちょっと察してたやろ、こうなるの」
「..........」

モゾ、布団の中で華奢な体が寝返りを打つ。
ずっと気になっていたことをベッドの中で問いかけてみると、うらさんは毛布を抱き込みながら気恥ずかしげに目線を逸らした。

「この前のタクシーの中みたいな雰囲気...きっとなんかの間違いだろうと思って...いつも通り遊べば元通りの感じに戻るだろって思って、誘った」
「う...」

かくしてそれは間違いでもなんでもなく、案の定発情した俺にぺろりといかれてしまったわけで。
胸の中をシンプルな罪悪感が襲ってくる。誠心誠意謝罪しようとしたら、うらさんは「...でも」と小さく言葉を続けた。

「正直、間違いじゃなければいいな、とも思ってた...」

「..................」

「..................」

「...なんか言え」

「......もう一回せん?」

「やだ、あほ」

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